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MINI(ミニ)の歴史

【1】ミニMk-Iの時代 1959〜1967
1959年 8月26日

ミニはBMC(British Motor Corp.:ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)のADO15シリーズとして発売された革新的な小型サルーンである。BMCの中心的なブランドであるモーリスオースティンのそれぞれから、モーリス・ミニ・マイナー(Morris Mini-Minor)、オースティン・セヴン(Austin Seven 間もなくオースティン・ミニとなる)として販売が開始されたのであった。
 ボディ形態は2ドアのトランク・ブーツを持たない(今日でいう2ボックス)サルーンで、四人乗りの前輪駆動車であった。当時のBMCのチーフ・エンジニアであったアレック・イシゴニス卿(Sir. Alec Issigonis)によって多くのアイディアが詰め込まれている。エンジンとトランスミッションを二階建構造にレイアウトしたコンパクトなパワー・パックをフロントに横置きし、前輪を駆動することで広いルーム・スペースを得たこと、ラバー・コーン或いはハイドロラスティック・サスペンションなどはその代表的な例であろう。
 当初は全て8A型(オースティン・セヴン)、8MB型(モーリス・ミニ・マイナー)と称される水冷直列4気筒OHV848ccエンジンと、ダイレクト・コントロールドのギア・ボックスを持っていた。グレードは、ベイシックとデラックスの2グレードが用意された。(間もなくエンジン型式は8AM型で統一される)。

【カーシリアルqナ刻開始】
A/A2S7 101  (オースティン・セヴン)
M/A2S4 101  (モーリス・ミニ・マイナー)

 


モーリス・ミニ・マイナーオースティン・セブン


1960年

春には5cwtヴァン(1/4トン・ヴァン)が、9月には2種のエステート、モーリス・ミニ・トラヴェラー(Morris Mini-Traveller)及びオースティン・セヴン・カントリーマン(Austin Seven Countryman)が発表された。これらは、ミニのホイールベースを102mm(4in)延長し、リアに観音開きの扉を持つ荷室を設けた物である。
英国での規定に従って、ヴァンの荷室には窓がない。また、エステートには飾りとしてウッドのモールが付けられた。後には飾りのないオール・スティール・エステート(ベイシック/ウッド・モール付はデラックスと呼ばれるようになる)も加えられる。

【ヴァンの打刻開始】
A/AV7 12101  (オースティン・セヴン・ヴァン)
M/AV4 12601  (モーリス・ミニ・ヴァン)
M/AW4 19101  (モーリス・ミニ・トラヴェラー)
A/AW7 19125  (オースティン・セヴン・カントリーマン)




ミニ5cwtヴァン

モーリス・ミニ・
トラヴェラーMk-I

オースティン・
カントリーマンMk-I
1961年 6月

ヴァンの後半を荷台とした5cwtビック・アップ(1/4トン・ピック・アップ)が、やはりモーリス、オースティンの二つのブランドから送り出される。

【カーシリアルNO.】
M/AU4 91551  (モーリス・ミニ・ピック・アップ)
A/AU4 87550  (オースティン・セヴン・ピック・アップ)
 
 


ミニ5cwtピックアップ
9月

ミニ・クーパーがADO50のコードネームとともにデビューする。9F型と呼ばれるツイン・カーブレータを備えたロングストローク997ccエンジンに、よりクロースしたレシオとリモート・コントロールドのトランスミッションを持ち、ブレーキもフロントがディスク・ブレーキに代えられたスーパー・バージョンである。アレンジメント及びチューニングは、ジョン・クーパーがあたった。

【カーシリアルNO.】
K/A2S4 138315  (モーリス・ミニ・クーパー)
C/A2S4 138301 (オースティン・クーパー)
 

10月

同じBMCにあったライレー及びウーズレイ・ブランドから、それぞれライレー・エルフ、ウーズレイ・ホーネット・サルーンが誕生する。それぞれに独自のフロント・グリル及びエンブレムを持ち、リアに独立したラゲッジ・ブーツを備えるのが特徴である。よりラグジュアリーを志向したミニで、その意に沿ったフル・ワイズのウッド・フェイシア(ライレー・エルフ)をはじめとした高級なインテリアがしつらえられる。
 
【カーシリアルNO.】
Mk-I R/A2S1 156851  (ライレー・エルフ)
W/A2S1 156861  (ウーズレイ・ホーネット)
 


ライレー・エルフMk-I


ウーズレイ・ホーネット
1962年

62年頃からオースティン・セヴンはオースティン・ミニとなり、オースティン・クーパーもオースティン・ミニ・クーパーとなった。
 
 

1963年 3月

当初はミニ・サルーンと同様のパワー・トレインであったライレー・エルフ、ウーズレイ・ホーネット・サルーンに、ひと回り大きな998ccエンジン(9WR型)が導入され、それぞれライレー・エルフMk-II、ウーズレイ・ホーネットMk-II(したがって、これまでのモデルはそれぞれMk-Iとなる)を名乗る。
 
【カーシリアルNO.】
R/AS2S  (ライレー・エルフ)
W/A2S2  (ウーズレイ・ホーネット)
 


ライレー・エルフMk-II
4月

ミニ・クーパーを更にチューニング・アップしたモーリス・ミニ・クーパーS、オースティン・ミニ・クーパーSの登場をみる。
各種の装備に加えて、ショート・ストロークの三種の排気量のエンジンを持つのが大きな特徴だ。クーパーとともにダウントン社のダニエル・リッチモンドの意見が多く取り入れられている。
 最初に登場したのは1071ccエンジンを持つもので、エンジンそのものの材質が大幅に強化されているほか、ヴァキウム・サーヴォ付の大径ディスク・ブレーキ、冷却穴つきのワイド・ホイール等でチューニングされている。ギア・レシオも幾種かのオプションが用意され、コンペティション等に対応している。外観等はクーパーモデルに準じ、エンブレムに“S”の文字が加わるのが主な差異だ。
 
【カーシリアルNO.】
クーパーと連番
 
 

1964年 1月 

ミニ・クーパーも同じ998ccエンジンをチューニング・アップして搭載し、モーリス・ミニ・クーパーMk-II、オースティン・ミニ・クーパーMk-IIとなる。エンジンの型式も9FA型となった。
 
 


モーリス/オースティン.ミニ850Mk-II

モーリス/オースティン.ミニ1000Mk-IIスーパーデラックス
3月

二種の排気量、すなわち970ccのミニ・クーパー970S(又は1000S)、1275ccのミニ・クーパー1275S(同1300S)が、モーリス、オースティンそれぞれのブランドで加えられる。それらは、1071ccの9F型と同じΦ70.6(2.78in.)のボアを持ち、61.9mm(970S)又は81.3mm(1275S)のストロークが組み合わされたものだ。970cc、1071cc、1275ccの3種はクーパーのそれとも同じ9F型を名乗り、9F-SA-X/9F-SA-H/9F-SA-Yで区別したが、間もなく、1071ccは10F型、970ccは9FC 型、1275ccは12FA型と呼ばれるようになった。
 
 


ミニ・クーパーS
Mk-I(1071)
ミニ・クーパー970S/1300S Mk-I
8月

1071ccのクーパーSが生産中止に。
マルチ・パーパス・カーとしてミニ・モークが登場する。当初は848ccエンジン付である。

 


ミニ・モーク
9月

すべてのサルーン・モデルにハイドロラスティック・サスペンションが導入される。
 

1965年 1月

970ccのクーパー970Sが生産中止になり、クーパー1275S1種のみに統合される。これは1071cc、970ccがコンペティションのホモロゲーションを意識したモデルであったことを示す。
 
 


【2】 ミニMk-IIの時代 1967〜1969
1967年 10月 

ミニはボディ内外などにマイナー・チェンジを施され、Mk-IIへと移行する。
変更点はフロント・グリルの意匠変更、リア・ウィンドウの大型化、リア・コンビネイション・ランプの大型化などである。
また、ミニ・サルーンのうち、スーパー・デラックスにライレー・エルフMk-II等の998ccエンジンが導入される。9WR型と呼ばれていたエンジンは99H型と改称された。
もちろんモーリス、オースティンのブランドがあり、モーリス・ミニ・Mk-II、オースティン・ミニ・Mk-IIとなった。

他のライン・アップされたモデルも同様の変更を受ける。

モーリス・ミニ・クーパー、オースティン・ミニ・クーパーは、サルーン同様のボディになるが、9FA型エンジン(998cc)化の際Mk-IIを名乗っているので、呼び方は変わらず、モーリス・ミニ・クーパーMk-II、オースティン・ミニ・Mk-IIのままであった。

1275ccエンジンのみが残ったミニ・クーパーSも、同様にMk-IIボディとなり、モーリス・ミニ・クーパーS Mk-II、オースティン・ミニ・クーパーS Mk-IIとなる。
この時点でクーパー、クーパーSモデルともモーリス、オースティンとも同じフロント・グリルになり、エンブレムのみで区別された。

エステートもMk-IIボディとなり、99H型(998cc)エンジン(デラックス)が導入される。フロント・グリルはサルーンと同じで、格子状のモーリス、横バーのオースティンの差異がある。モーリス・ミニ・トラヴェラーMk-II、オースティン・ミニ・カントリーマンMk-IIと呼ばれる。

ライレー・エルフ、ウーズレイ・ホーネットはグリルの一部変更、サイド・ウィンドウの巻き上げ式化、ドア・ヒンジの内蔵化などのボディまわりの変更を受け、ライレー・エルフMk-III、ウーズレイ・ホーネットMk-III、となる。
 
 



ミニ・クーパー1300S Mk-II

モーリス.ミニ・トラヴェラーMk-II(スティール)

オースティン・カントリーマンMk-II(スティール)

ライレー・エルフMk-III

ウーズレイ・ホーネットMk-III
1969年 10月

エステート及びライレー・エルフ、ウーズレイ・ホーネットはすべて生産中止となった。 ヴァン、ビック・アップは大きな変更はない。
 
 



【3】 ミニMk-III以後 1969〜
1968年

BMCはレイランド・グループと合併し、新たなBLMC(British Leyland Motor Co,:ブリティッシュ・レイランド・モーター・コーポレイション)となり、合理化の名の元に、多岐にわたっていたモデルを整理統合する方向に向かっていた。
これまでのモーリス・ミニ、オースティン・ミニは新たにBLMCミニとなった。
 
 



BLMCミニ850/1000 Mk-III
1969年 10月

BLMCミニは再びマイナー・チェンジを施行されMk-IIIへと移行する。同時にミニに代わるべきアコモディション・モデルとしてミニ・クラブマン・シリーズを登場させる。
ミニのマイナー・チェンジは主にボディまわりで、特にサイド・ウィンドウの巻き上げ式化、ドア・ヒンジの内蔵化が大きな変化だ。サスペンションもラバー・コーン式に戻される。848ccの85H型(呼称変更)エンジン付と998ccの99H型エンジン付がそれぞれBLMCミニ850、BLMCミニ1000と呼ばれた。

ミニ・クーパーSも同様のMk-IIIボディとなり、BLMCミニ・クーパーS Mk-IIIとなった。搭載される1275ccエンジンも、12H 型と呼称変更された。フロント・グリル及びエンブレムはミニ・サルーンと共通のものとなり、リアに残るMINI COOPER Sのエンブレムのみが最大の識別点となった。
 
 



ミニ・クーパー1300S Mk-III

1971年 7月

ミニ・クーパーS Mk-IIIはわずか1年余で生産中止となる。
この時期を最後に、日本では正式な輸入が途絶えることになり、またミニはクラブマンが主流になるよう移行していったために、細部の仕様は一定していなかったようだ。
Mk-III以降も輸入ディーラー(モーリス:日英自動車、オースティン:キャピタル企業)の関係で、わが国ではモーリス、オースティンの区別がエンブレム等によって付けられていた。
 
 


Mk-IIIとともに登場したクラブマンは、ミニと殆ど共通のコンポーネンツに新設計のクラブマン・ボディを組み合わせたものである。狙いはミニの上級移行並びに新しい需要層の開拓に対応するものであった。
ヴァリエーションはBLMCミニ・クラブマン・サルーン、BLMCミニ・クラブマン1275GT、BLMCミニ・クラブマン・エステートの3種があり、それぞれ、ミニ・サルーン、ミニ・クーパーS、ミニ・トラヴェラー/ミニ・カントリーマンに対応する。ミニは、サイズの上でも、精神的にもミニマムであるという革新的なコンセプトの実践の上に成り立っていたという感が強いが、クラブマンに於いては、より一般的(他車と似通ってきたという点で)なスタイリング、インテリア等でまとめられた。エンジンはクラブマン・サルーンとクラブマン・エステートに99H型998ccが、クラブマン1275GTには12H型1275ccが組み合わされる。
 
 

BLMCミニ・クラブマン・サルーン

BLMCミニ・クラブマン・1275GT

BLMCミニ・クラブマン・エステート
1974年

クラブマン・サルーン及びクラブマン・エステートには10H型1098ccエンジンも搭載された。
ミニ・クラブマン・サルーンはミニ・クラブマン1100サルーンと呼ばれる。
 
 


70年代中後半は、全世界的な石油ショックや排出ガス規制等の環境変化の対応に忙しく、ミニ・サルーンもエミッション・コントロール等の手だてが講じられる。
 
 
1980年

クラブマン・シリーズは新しいミニ・メトロにとって代わる。

並行輸入という形で、日本にも輸入が再開されるが、それはカナダ向けミニ1000(左ハンダー、高位置バンパー、エア・ポンプ等装備)、ヨーロッパ向けミニ1000及びミニ1100スペシャル(左ハンダー、998cc又は1098ccエンジン付)、英国本国仕様ミニ1000HL(ミニ1000ハイ・ライン;右ハンダー、998ccエンジン付)等であった。
 
 



ミニ1000HL

ミニ1100スペシャル

ミニ1000カナダ仕様
その後は再び日英自動車がディーラーとなり、ミニ1000HL、ミニ1000メイフェア等を輸入する。これは99H型998ccエンジンに三元触媒(エア・ポンプは持たない)を組み合わせたパワー・トレインを持つ、右ハンダーの日本仕様といえるものである。インテリアも、ミニ・クラブマンに近いものとなった。 外観上では、ブラック・フィニッシュのフロント・グリルにミニ・メトロと共通のエンブレムが付き、145SRラジアル・タイアをクリアすべく樹脂製のオーヴァ・フェンダが付くのが特徴といえよう。型式は99X型と呼ばれる。    

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